蕾は春を知りたがらない

 柔らかいベッドから体を起こすと、明らかに自分の部屋ではないがよく見知った他人の部屋の天井が、視界に広がった。窓から差し込む光の量からして午前中も残りわずかという時間帯だろうか。壁掛け時計に視線を移せば、二本の針が午前の十一時を示そうとしていた。

 流行りものに疎い彼のために、自分と映画を観ようという運びになったのがきっかけであった。学校の帰りにレンタルショップで、ジャンルを問わず所謂名作と呼ばれるタイトルをしこたま借りた。ついでにコンビニにも寄って、男二人で食べきれるわけがないだろうというような量のスナック菓子を、彼が次々とカゴへ放り込むのを静観していた。

 それから彼の家へ向かって、リビングに鎮座する広めのテーブルにDVDとスナック菓子を広げ、どれから手を付けようかと吟味し、決定するまでに三十分はかかった。彼と自分の趣味が正反対で、なかなか意見が合わなかったのだ。自分はSFだったりアクションだったりドキュメンタリーだったり、そういうものが観たかった。だが彼は、恋愛ものだったりコメディや人情ものだったり、そういうジャンルが観たいのだと主張した。これほどまでに話が合わないとは思ってもよらず、とくに議論好きな自分のせいもあって、素人同士の映画論は随分と白熱してしまった。結局決めたのは二人の趣味ではないホラー映画であった。内容はあまり覚えていない。
 それ以降は互いの趣味のものを適当に選び、ディスクを入れては戻しを繰り返した。いつまでそうしていたか定かでないが、彼の好きなポテトチップスの期間限定味の袋が空になった頃、急激な眠気が襲ってきた。それからはなし崩しのまま一旦お開きになって、気がついたら自分はここに寝かされていたという寸法である。

 こんこん、と扉を叩く音がして、間髪いれずに彼が部屋へ入ってきた。
 こうして互いの部屋で寝泊まりするようになってから気がついたことだが、彼は部屋をノックしても中からの返事を聞く前に扉を開ける癖がある。せっかちなのかと揶揄えば、元々彼の家は日本独特の和式造りであったから、戸を叩く習慣がないのだという。
 さして見られても疚しい事柄はないのだが、その癖はどのみち直したほうがいいんじゃないかと提案すれば、小姑みたいだねと的外れな所感を述べられたことは、自分の記憶に新しい。
「ルルーシュ、起きてたんだ」
「ああ。なんだか寝落ちしてしまったみたいで……すまない」
「ううん、いいよ。お昼ご飯もうすぐ準備できるから、顔洗ったらおいでよ」
 まるで新婚夫婦の日曜日のようなやり取りだなあと、ルルーシュは密かに思った。

 洗面台には、スザクがいつも使う洗顔料や整髪剤、歯磨き粉と歯ブラシ、それからシェービングクリームと髭剃りがところ狭しと並んでいる。その中で当たり前のようにルルーシュ用の歯ブラシも揃っていて、同居生活の様を呈していた。

 以前寝ぼけたスザクが間違えてルルーシュの歯ブラシを使用したときには、大層怒ってしまった。いくら好きな相手とはいえ潔癖な性分なルルーシュからすれば、それとこれとは別問題だ。
 それからは反省したらしいスザクが、歯ブラシの色にルールを決めようと言い出したのだ。彼の提案する新ルールに則り、ルルーシュが紫でスザクが緑のものを決まって購入し使用するようにしている。その色分けの由来はスザク曰く、自分達の瞳の色だそうだ。相変わらずスザクは恥ずかしい奴だと、ルルーシュは心底思っている。

 リビングに戻ったルルーシュは、テーブルに並ぶ”まともな食事”に我知らず目を輝かせた。昨夜はスナック菓子をジュースで流し込んで済ませるという、生活習慣病まっしぐらなひどい内容であった。スザクはさして食生活に頓着しないようであるから、恐らくルルーシュが拘らなければ今日も昼間からスナック菓子の袋を開ける作業をしていただろう。
「お腹減ってる?」
「昨日の夜はろくなものを食べてなかったからな」
「えー、梅胡椒味のポテチは美味しかったよね」
「覚えてない」
 テーブルの上には白米と、大皿に山盛りにされた野菜炒めと、味噌汁が置いてあった。まるで手本のような、典型的な男飯である。スナック菓子を主食にするのも厭わないわりに、あまり濃い味の料理が好きでない彼好みらしいその野菜炒めは、いつも塩胡椒だけで味付けがされている。
 これを白米に乗せて口にかきこみ、味噌汁で流すのがスザク流の食べ方であると本人直々に伝授されたこともある。しかしルルーシュは毅然として、普通に三食食べを行っている。
「頂きます」
「いただきます」
 二人で手を合わせてから箸を持つ。
 スザクの家で食事をするときの習慣である。

 日本生まれのスザクと、ブリタニア生まれのルルーシュでは食事の作法から何から全て異なっている。そのため、どちらかの風習に合わせるのではなく、相手の家で食事を摂るときは相手のお国の作法を真似ているのだ。ちなみに、このルールを提言したのはルルーシュのほうであった。異文化交流みたいで面白いねと、スザクも快諾してくれた。
 当初は箸の持ち方もスザクに手づから教わっていたが、今では日本人と遜色ないほど器用に扱うことができるようになった。
「昨日の映画、覚えてる?」
「後半はあまり」
「僕もなんだよね」
 一体何のための鑑賞会だと呆れてしまうが、とくに着地点も決めず行き当たりばったりで過ごすスザクとの時間が、ルルーシュはいっとう好きだ。
「最後に観た映画の内容は、どのくらい覚えてる
 ?」
「えっと」
 最初に観たホラー映画は所謂B級と呼ばれるもので、怖いどころかそのシュールさに笑いすら誘われた。次に観た作品はスザクの要望で、ファンタジー要素のある恋愛ものであった。ヒロインの役者がスザク好みの顔らしく、ルルーシュはその前情報にさして興味も示さず聞き流した。その次はルルーシュたっての希望であった、史実を元にしたSF巨編である。主演俳優が権威ある賞を受賞したとかで、演技の腕前は申し分ないほど素晴らしく、テレビ画面だというのに臨場感がある。続編への伏線が示唆される重要な場面で、隣の男が舟を漕ぎ始めたのを見咎め、叩き起こしてやったことが鮮明に記憶にあった。

 その次はスザクの希望である、ノンフィクションの悲恋映画であった。タイトルのラインナップからしてお前は女子かと思ったが、ディスクを入れた段階で涙を滲ませていたスザクの顔を見て、ルルーシュは何も言えなくなった。
 映画の中盤あたりで濃密なラブシーンが映し出されて、ルルーシュはらしくもなく気恥ずかしくなった。そして、その画面の中で繰り広げられた男女の睦合いを再現するかの如く、スザクが唇を寄せてきたのだ。自分達もああいうことがしたいと、暗に匂わせているようだった。
「ラブシーン……?」
「そこまでは起きてたんだ」
 スザクが手元の空になった小皿にもう何度目になるか分からない野菜炒めを、菜箸を用いて大皿からよそった。その旺盛な食欲を眺めながら、ルルーシュはなめこの味噌汁に口をつけた。
「あのシーン見て、どう思った?」
「どうって」
「正直に言っていいよ」
「き、気持ち悪いと……」
「そっかあ」
 聞いてきた口で興味無さそうな相槌をされると、それはそれでやけに腹が立つような気がした。スザクは本日三度目のご飯のおかわりのため、席を立った。ルルーシュは三度ほど野菜炒めを小皿に移した段階で満腹中枢はかなり刺激されていたため、ほぼ食事を終えていた。
 いそいそと席へ戻ってきたスザクは、箸を置いたルルーシュの様子を見てもういいの、と驚いていた。ルルーシュからすればスザクの胃袋のほうが規格外なのである。
「なんで気持ち悪くなっちゃうんだろうね」
「分からない」
 もう何度繰り返されてきたか分からない会話である。スザクは湯気の立つ白米を咀嚼しながら、そらに続けた。
「じゃあさ、質問変えるけど。なんで映画であの二人は、ああいうことをしたと思う?」
「それは……」
 何てことないという面持ちで、スザクはそう尋ねた。何かの誘導尋問なのだろうかとルルーシュは勘探るが、やばり彼の質問の意図とそこに隠された真意は掴めない。
「性的な衝動や快楽のため……?」
「まあそれもあるけど」
 保健の教科書にある文言のような返答に、少しおかしそうな顔をされた。
「他にも、あるかもしれないよ」
「他にも……」
「うん」
 スザクはお茶葉が沈殿した湯飲みを手のなかで軽く揺らし、中身を混ぜた。
「分からない」
「うーん……」
 今日は随分とこの手の話をしたいらしい。
 ルルーシュは黙って付き合ってやることにした。休みの日の朝から人の家で口喧嘩など、御免だ。
「じゃあさ、何のために、恋人同士ってキスやセックスをするんだと思う?」
「何のため?」
「うん」
「本能的な部分ではなく?」
「それ以上に、もっと大切なことが、あるんだけどね」
「…………」

 無言のまま答えを出しあぐねるルルーシュの様子を見たスザクは、唐突に立ち上がり全ての配膳を大急ぎで片付け始めた。
 ステンレスの水場に食器と湯飲み、箸を放り込み、慌ててリビングに戻ってきた彼は血相を変えて、何やら大慌てである。午後から来客が訪れることを失念していたのだろうか、ならば自分もなにか手伝ったほうが良いのではないか。ルルーシュは彼にそう尋ねようとするが、スザクの切羽詰まった様子を見ていると思わず言葉が詰まってしまう。話しかけないほうが良いのだろうかと手をこまねいているうちに、スザクは冷たい麦茶を入れたグラスを台所から運んできた。さらにスザクの行動の真意が読めず、ルルーシュを混乱させるばかりである。

 いつもは向かい合わせで座るはずの彼が、今だけはルルーシュの真横に座った。
 いつになく忙しない様子のスザクは、呆気に取られるルルーシュの体を引き寄せ、硬直する肉体を抱き止めながら話をし続けた。
「キスやセックスは、愛情表現なんだよ」
「愛情表現?」
 まるで就寝前の子供に向かって絵本を読み聞かせる母親のように、スザクはルルーシュに優しく丁寧に、ありのままの事実を語り聞かせた。
「好きだよって言葉で伝えたり、手を繋いだり、こうやって抱き締めるだけじゃ、僕がルルーシュのことがこんなにも好きだって、伝えきれないんだよ」
「そういうものなのか」
「そういうものなんだよ」

 そもそもルルーシュはそのような行為を、肉欲を発散するためだけの自分本意なことだと思っていた。だから、そういったことに酷い嫌悪感や忌避感、またスザクからそうされると自尊心を傷つけられ、なんて背徳的な男なんだと非難してしまうのだ。実際、そうしてきたのである。だから恋人同士における性交渉は、互いの存在が性欲の発散のための手段に他ならず、いわば利害の一致で行うものだという認識でいた。
 だからスザクにそういう目で見られることに酷い恐怖と拒絶、警戒感をルルーシュは覚えたのだ。スザクにとって己の肉体とは、性欲を発散するために存在するんだと、暗に言われてしまう気がして恐ろしかった。本能的な繋がりより、理性的な部分でスザクと繋がりを深めたかった。
 しかしキスやセックスは、あくまで相手に好意を伝えるための手段に過ぎないのだと、スザクは教えてくれた。手を繋ぐことも抱擁することもキスもセックスも同義で何一つ変わらないらしい。そしてその認識はスザクだけでなく、誰にでもある一般的な考え方なのだと、教えてくれた。自分は相手のことがこんなにも好きなのだと伝えるために、それをする。言葉では到底伝わりきらない気持ちを、こんなにも愛しているのだと行動で伝えるために恋人同士はそれをするのだ。
 恋人だからするというよりも、想い合っているから事に至るのである。

 それは性的本能に理性を奪われる弱い人間の生み出した、耳障りが良いだけの好都合な言い訳なのかもしれない。実際問題、この世には愛を伴わないキスもセックスも存在する。それらは本能だけの、気持ちのない、ルルーシュが何よりも恐れていた類いのものだ。だが世の中にはそんな理由で性交渉に及ぶカップルばかりが存在しているはずもない。恐らく大半は、思いの丈を少しでも表現するための手段に過ぎないのだ。
 確かに性的欲求は、あまり綺麗なものではないかもしれない。とくに他人のなんかは、汚くて気持ち悪くて、目も当てられないほど酷いかもしれない。しかし心から好きだと言える人の、つまりはスザクの性的欲求は、自分のことを、ルルーシュを愛しているから芽生えてしまうものなのだ。

 煩わしく面倒で鬱陶しい、そんな当たり前にあるものほど、これがどうしてなかなか捨てられない。その感情に、人は愛着という名前を付けた。
 どうか僕のこのどうようもない衝動も、醜い感情も、そう捉えてくれないか。なぜならこの醜い部分も確かに僕自身を形成する一部分だからだ。スザクはそうルルーシュに嘆願した。

 ルルーシュはそこまで説明されてようやく、一年前から腹の底に溜まっていた澱みや疑問が解消され、まるで、
「腑に落ちた、って顔してるね」
「わ、悪かったな……その、ずっとお前を振り回して、迷惑かけて」
「君に謝ってほしくて僕は話したんじゃないよ!」
 スザクはルルーシュの肩を掴み、目線を合わせた。スザクの虹彩にはみっともなく狼狽するルルーシュの間抜けな顔が映っていて、どうしようもなく恥ずかしい。彼の目にはどう映っていて、それを見てどう感じているのかが気掛かりである。
「じゃあさ、キスから始めよう」
「え、え、あ」
「一年も待ったんだよ、今さら拒否権は使わせないから」
「それはその、本当にすまないと、」
「あ、緊張するならテレビつける?今の時間ならお昼のニュースやってるかも」
 ルルーシュの言葉なんぞ一言も聞き入れる様子のないスザクは、リモコン液晶に電源を入れ、適当にワイドショーのニュースを流し始めた。その落ち着きのなさと普段以上のお喋りっぷりから推測するに、今の彼は相当浮き足立っていることが窺える。だがこれも、一年間彼に待てを強いり我慢させ続けた己の行動の結果である。だから今日の今くらいは、大目に見てやらねばならないのだ。

 ――お昼の天気予報をお伝えします。
 ――まずは今年の桜の開花予想ですが、全国的に平均より大幅に遅れる見込みです。

 テレビからはこの時期になると毎年流れる桜の開花予想が、女性アナウンサーの口から告げられていた。開花が遅れる見込みであるという情報を聞き、他の出演者も残念そうな表情を浮かべている。
「目閉じて、唇をうっすら開けて」
 すっかりニュースに意識が向いてしまっていたルルーシュは、スザクが何の指示をしているのか分からず狼狽えた。目を閉じて!と鬼気迫る表情をした彼から再三説明され、ようやくその一連の動作が、キスをする際の作法であると理解した。

 ――寒冷前線が長く日本列島に残っていたため、今年は開花が少し遅れているそうです。
 ――しかしテレビを御覧の皆さん、朗報ですよ!

「そう、上手。いくよ、」
 言われた途端、唇に柔らかいものがふに、と当てられ、気づいたときには既に離れていた。当てるというより掠めると表現したほうが適切であろうその接着面積と時間に、ルルーシュは目を白黒させた。
「……嫌じゃ、なかった?」
「嫌もなにも、一瞬過ぎてよく分からなかった」
 ルルーシュは出来るだけ率直な感想を述べたが、スザクは複雑そうな顔をしているのだから、やはりこういったことは難しいものだ。
「もっかいしようか」
「え、ああ、」

 ――来週の中頃から九州、四国、中国地方の開花が始まります。
 ――そして再来週には関西、中部、関東地方も開花する予定です。三月の終わりから四月の初めにかけてですね。

 ふわふわと唇が押し付けられ、今度はくっついたり離したりを繰り返した。慈しむようなひとつひとつの感触に、ルルーシュは胸が震えた。
「慣れてきた?」
「す、少し」
「じゃあ次は、昨日観た映画のやつの真似しよう」
「あれをか?」
「あのね、キスしてるときは鼻で息をするといいよ」
「俺の拒否権はないんだな?」
「ほら目閉じて」

 ――四月の中旬までには新潟県などの日本海側、北陸などの東北地方で開花が始まります。
 ――五月に突入すると北海道でも開花が相次いで始まる見込みですよ。

 ――お天気キャスターさん、先ほど言っていた朗報というのは一体何なのでしょう?
 ――それはですね、寒冷前線が例年よりも長く居座っていたせいで朝晩の寒暖の差が激しかったのですが、
 ――その寒暖の差こそ、桜の咲き具合、蕾の育ち具合を左右する要因なんです。

 後頭部に固定された手がくすぐったくて身動ぎしたが、頬に添えられたスザクの手のひらがそれを許そうとしない。元から薄く唇を開けておけと彼に言われていたから、無知ゆえにルルーシュはその言いなりになっていた。しかし、それが全てもの敗因である。口内を蹂躙する舌の動きに肩が震え、開きっぱなしの唇からはとろとろと唾液が溢れた。
「ん、う……!」
 とくに上顎のざらついた部分を舐められると、どうしようもなく堪らなかった。

 ――ということは、寒暖の差が激しいほど桜がより美しく開花するということですか?
 ――はい、そうなんです。しかも今年は開花が少し遅い分、蕾がすくすくと育っているはずなんです!

 鼻で息をすればいいという忠告は受けていた。だが、口内を舐めしゃぶられ、舌を拙く動かしながら、溢れる唾液を必死に飲み込みつつ、鼻で呼吸までしろというのはルルーシュにしてみれば無茶苦茶な条件ある。何もかも初めてである自分に対し、そんな要求を突き付けるスザクに必死にしがみつきながら、ルルーシュは舌を動かして応え続けた。
「ぷは」
「は、あ……」
 唇を離せば、唾液の糸がルルーシュとスザクの唇から伸びて綺麗に繋がっていた。スザクがルルーシュのぬめった口元を指で拭うと、その糸は呆気なく千切れた。正直、目のやり場に困る光景である。
「僕の気持ち、伝わった?」
「もう充分だ」
 ルルーシュは口元を押さえて俯いた。まだ心臓がどくどくと脈打っていて、ひどく興奮していた。こんな、唾液を交換し合う口付けはあまり自分には、良くないのかもしれない。
「僕としてはまだまだ足りないんだけど、どうしよっか」
「もうしばらくは勘弁してくれ」
 スザクには悪いが、恐らくひどく感じやすいのであろうこの体を早々に明け渡し、彼の手で暴かれるにはまだまだ時間がかかりそうだ。


 未だに痺れる舌根と唇の熱が全身を這い回り、心をひどく乱されるのがそれを予兆していた。




 ――なので今年の桜は開花こそ遅いのですが、ここ数年で一番美しく咲き乱れるのではないかと言われています。
 ――今から開花が待ち遠しい限りですね!



 完