夜を越えて会いに行く

 スザクの驚くほど冴えた切っ先は鈍ることなくルルーシュの心臓を寸分違わず貫いた。自尊心の高い彼らしく、死ぬ間際まで憎らしいほど美しい表情をしていた。

 歴史は勝者が作ると言われるが、だとしたらルルーシュが生涯をかけて紡いだ物語は、一体何になるのだろう。スザクの胸中は、いまなお曖昧模糊としていた。
 しかしひとつ確信して言えることは、ルルーシュへの消えることのない憎悪こそが、スザクにとって心の芯金であったのだ。